教育内容
熊本大学では、平成30年度に社会環境工学科と建築学科が合わさり、土木建築学科が誕生しました。このサイトでは「土木工学教育プログラム」と「地域デザイン教育プログラム」について紹介します。
土木工学教育プログラム
土木工学教育プログラムでは、防災・減災、社会基盤施設の計画・設計・建設・管理、資源循環型の環境保全に関する幅広い視野と知識、および高い専門技術力を駆使して、持続可能な開発を実践できる能力を有する高度専門技術者を育成します。
何を学ぶのか?
- 橋梁、道路、トンネル、地下空間などの社会基盤の設計・維持・管理技術
- 災害に強い、災害を低減するまちづくり、社会づくり
- 河川、海岸、大気などの環境評価、環境保全技術
- 橋梁の塩害調査
- トンネル掘削現場
地域デザイン教育プログラム
地域デザイン教育プログラムでは、社会システム、まちづくり、景観デザインなど複雑な地域社会の諸問題に対して、具体的な課題を明確にして解決策を導き、まちづくりや公共政策の実践の中で次世代型社会システムを構築できる統合型技術者を育成します。
何を学ぶのか?
- 都市の姿や人や車の動きの分析および課題解決のための政策の評価
- 風景の魅力を引き出す景観デザインや、人の居場所を創出する都市デザイン
- 地域の風土に根差し、日常に繋がる、持続可能なソーシャルイノベーション
- 熊本大学ましきラボ
- 模型を用いたまちづくり演習
Over 120 years history
120年を越える歴史
熊本大学の土木の歴史は、明治30年(1897年)に創設された「第五高等学校工学部土木工学科」まで遡り、東京大学(明治11年)、京都大学(明治30年)に次いで全国で3番目に古い歴史を誇ります。2017年には設立120周年を迎え、卒業生は約5,800名に達します。
- 明治期の校舎
Attraction of academics
学問の魅力
対象領域は生活空間~地球環境
土木工学・地域デザインは、一言で言えないほどたくさんの分野の集合体です。身近な生活空間から地球環境に至る壮大なスケールのひろがりをもっており、ひとつの学科にまとまるとは思えないほどの専門分野をカバーしています。
- 住民とのまちづくり
- 橋梁・道路の整備
- 地域・構造の解析
人々に長く親しまれるモノづくりができる
社会基盤整備は規模が大きいため、期待される構造物の寿命も、50年、100年…と長くなります。そのため、50年、100年を見通した先見性のある計画、耐久性、景観への配慮、施設デザインが必要とされます。また、社会基盤をデザインするということは地域の歴史を作る仕事でもあります。社会基盤の設計・デザインは難しい作業ですが、とても創造的な作業です。
多種多様な技術に出会える
社会基盤整備はスケールが大きく、多種多様な技術を必要とします。例えば、情報技術、機械技術、化学技術を用いることも多く、これらの技術をうまく活用して設計・建設していくことも大切な要素です。特に情報技術は、リモートセンシング・GIS・CAD・CGなど応用分野は広く、土木工学・地域デザインの主要技術になっています。
- CG技術
- 岩盤物性試験機
- 微生物の蛍光検出
人も様々なタイプが活躍できる
社会·人間·自然を相手にした多彩な学問であるがゆえ、理系·文系を問わず、様々なタイプの人に活躍の場があります。
- 自然のメカニズムや数理的なことに関心のある人
- ものづくりが好きな人
- 環境に興味のある人
- まちづくりに興味のある人
- 社会や人間など文系に興味のある人
実践を通じた工学センスの養成
実験、実習、演習、現場見学を通して専門知識を学び、実学としての工学的センスを養成することができます。
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現場見学会
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情報処理演習
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実験実習
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阿蘇(地下水調査など)
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白川(景観デザインなど)
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熊本市街(社会実験など)
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有明海(現地調査の様子)
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阿蘇(防災教育)
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三角町(ワークショップの様子)
課題探求能力・コミュニケーション能力の養成
公共空間や社会基盤をデザインし構築するため の講義・演習を揃え、双方向教育を活かして課題探求能力とコミュニケーション能力の強化を目指します。
エンジニアリング・
コミュニケーション
「ものづくり」に関わるコミュニケーション力、社会環境や地域における課題を抽出・整理する能力を養成します。
土木工学総合演習・
地域デザイン総合演習
チームを組み、習得してきた能力を総動員し、課題に対する実践的な設計計画を立案する演習を行います。
土木デザイン
(土木工学教育プログラム特有科目)
課題に対する実践的な「設計能力」の涵養します。
都市計画演習
(地域デザイン教育プログラム特有科目)
現実の都市や地域で生じている問題の解決のための計画の作り方を学びます。
公共空間デザイン
(地域デザイン教育プログラム特有科目)
調査から設計、プレゼンテーションまで、デザインプロセスを実践的に学びます。
第一線で活躍している方々の講演会を開催
官公庁や建設会社・コンサルタントなどの現場の第一線で活躍している方々を講師としてお招きした講演会をインターンシップが実施される前に開催しています。これにより、インターンシップ先の選択や事前学習の材料になっています。
熊本ならではの豊富な研究フィールド
熊本は、東を阿蘇などの山々、西を有明海に囲まれ、熊本市街地には1級河川の白川が流れるなど自然環境に恵まれており、環境系の研究に非常に適した土地柄です。また、熊本市街地の規模が約65万人と大きすぎず小さすぎないことで社会実験などの実施に適しており、研究を通して熊本のまちづくりに直接参加できることが大きな魅力です。
魅力的なコミュニティ
土木建築学科では、教員・学生・卒業生の交流を大切に考えています。学生が率先して企画・運営に関われるコミュニティの存在は、卒業後も大きな財産になることでしょう。